この記事でわかること

  • 賃貸営業マンとして感じる賃貸の本当の強みと弱み
  • 去年まで賃貸派だった自分が購入に踏み切った理由
  • 「家賃値上げ通知が半数以上」という現場のリアル
  • 大家さんへの家賃交渉が逆効果になる理由
  • 定期借家契約の罠・普通借家契約との違い
  • 頭金なしのフルローンで購入した人の現実
  • 修繕積立費用の滞納状況でマンションの治安がわかる理由
  • 賃貸が向いている人・購入が向いている人の判断基準

去年まで、自分は賃貸派でした。

賃貸営業マンとして物件を扱いながら、「賃貸の方が柔軟でいい」という考えを持っていました。

しかし今年に入り、考えが変わりました。お客様の半数以上が更新のタイミングで家賃の値上げ通知を受けているという現実を目の当たりにしたからです。

この記事では、賃貸営業マンとして貸す側の現場を知りながら、自分でもマンションを購入した立場から、賃貸vs購入を正直に比較します。


賃貸のメリット|貸す側から見たリアルな強み

メリット①|設備が壊れても自己負担なし

賃貸の最大の強みは、毎月の家賃・管理費を支払うことで、設備が壊れた時に大家さんが修理してくれることです。

エアコンが壊れた・給湯器が故障した——こういった突発的な出費が賃貸では基本的に発生しません。

購入の場合は設備の修繕費用を全て自分で負担する必要があります。この「急な出費が少ない」という点は、賃貸の大きなメリットです。

メリット②|住みづらければ引っ越せる

賃貸の2つ目の強みは、住みづらければ引っ越してしまえばいいという柔軟性です。

近隣住民との関係が悪くなっても、職場が変わっても、家族構成が変わっても——賃貸であれば比較的自由に住む場所を変えられます。

メリット③|収入の変化に対応できる

賃貸派の人がよく言う理由として、収入の変化に柔軟に対応できることがあります。

  • 収入が上がれば家賃の高い物件に引っ越せる
  • 収入が下がれば家賃を下げればいい

この「不確実な未来に対して選択肢を広く持てる」というメリットは、ごもっともな意見だと思います。


賃貸のデメリット|長く住むほど増えるリスク

長く住むほど契約トラブルのリスクが高まる

賃貸のデメリットとして見落とされがちなのが、長く住むほど契約トラブルのリスクが高まることです。

当初契約した不動産会社が変更になり、思っていた契約内容と違う内容を交わされるケースが、長く住むほど起きやすくなります。

管理会社が変わることで対応が変わる・大家さんが変わることで条件が変わる——こういったリスクは、賃貸を選ぶ際に念頭に置いておく必要があります。

家賃値上げ通知が半数以上のお客様に来ている現実

現在の現場で実感していることがあります。

更新のタイミングで家賃の値上げ通知を受けているお客様が、半数以上になってきています。

インフレが進む中で、大家さん側も物価上昇・維持費増加の影響を受けています。「賃貸なら家賃を下げれば対応できる」という考えは、今後通用しにくくなっていく可能性があります。


賃貸契約で絶対に知っておくべきこと

普通借家契約と定期借家契約の違い

賃貸契約で最も気をつけるべきポイントが「普通借家契約か定期借家契約か」の確認です。

契約種類特徴
普通借家契約大家さんからの家賃増額・更新拒否を拒否できる
定期借家契約契約満了時に大家さんの条件を飲まないと再契約できない

普通借家契約では、大家さんから家賃の増額や更新の有無を伝えられても、借り手側が拒否することができます。

しかし定期借家契約では、契約満了時に大家さんの条件を飲まないと再契約させてもらえないケースが増えています。

契約前に必ず「普通借家契約か定期借家契約か」を確認してください。

大家さんへの交渉が逆効果になる理由

「家賃を少しでも下げたい」「礼金をなくしてほしい」——借り手として交渉したい気持ちはよくわかります。

しかし賃貸営業の現場から正直にお伝えします。

大家さんも個人の人間であることが多く、交渉なしに提示されている条件でスムーズに借りてくれる人の方が、入居後の設備故障などにすんなり対応してくれる印象があります。

交渉をすること自体は悪くありませんが、「この入居者は面倒くさい人だ」という印象を最初から与えると、入居後の対応に影響する可能性があります。このことを念頭に置いて交渉することをおすすめします。


購入のメリット・デメリット|実際に買ってわかったこと

購入して良かったこと

実際にマンションを購入して一番良かったと感じることは、「家を買う」という人生の経験ができたことです。

賃貸での引っ越しと比べて、物件購入は人生の中で何度もある経験ではありません。その経験を通じて、不動産に関する実践的な知識が身についたことは大きな財産になっています。

購入して初めてわかったデメリット

購入して気づいた最大のデメリットは、近隣住民との関係が合わなくても、すぐに引っ越せないことです。

賃貸であれば嫌な隣人がいてもすぐに引っ越せますが、購入した物件ではそう簡単にはいきません。住んでみて初めてわかる近隣環境の問題は、購入における大きなリスクのひとつです。

購入前に知っておいた方がいいこと

購入前に必ず確認すべきことが「修繕積立費用の積み立て状況」です。

マンションの修繕積立金は、各所有者が毎月積み立てていくものですが、滞納者が多いマンションは管理状態が悪く、治安にも影響します。

修繕積立金の滞納状況を確認することで、そのマンションの住民の質・管理状態をある程度把握することができます。物件を選ぶ際の重要な判断材料になります。


賃貸vs購入|どちらが向いているかの判断基準

結論:頭金の確保ができているかどうか

賃貸か購入かの判断で最も重要なのは、「購入する物件の頭金が確保できているかどうか」です。

周りにも、頭金を用意できない状態でフルローンを組んで購入している人がいます。しかしその後、生活水準を大幅に下げている状況を見ると、「賃貸で良かったのでは」と感じることがあります。

状況おすすめ
頭金が確保できている購入を検討する
頭金が確保できていない賃貸で貯蓄を続ける
フルローンしか選択肢がない賃貸で様子を見る

収入・資産・勤続年数が購入の鍵

住宅ローンを組む場合、収入・資産・勤務先の勤続年数が審査に大きく影響します。

家族構成や年齢はそれほど影響しませんが、収入と資産の状況、そして勤続年数はローン審査において非常に重要な要素です。

賃貸が向いている人・購入が向いている人

タイプ向いている選択
収入が不安定・転勤の可能性がある賃貸
頭金がなくフルローンしか選択肢がない賃貸で貯蓄を続ける
頭金が確保でき収入が安定している購入を検討
長期的に同じ地域に住む予定がある購入
近隣環境の変化に柔軟に対応したい賃貸

購入する物件の選び方|賃貸営業マンが教えるポイント

立地が最優先

物件を選ぶ上で最も重要なのが立地です。建物は修繕・リフォームで改善できますが、立地だけは変えることができません。

将来売却する際に値下がりしにくい物件の条件として、以下を参考にしてください。

項目チェックポイント
駅からの距離徒歩10分以内が理想
周辺環境スーパー・病院・学校などの利便性
エリアの人口動態人口が減りにくいエリアかどうか
交通アクセス複数路線が使えるか

築年数と管理状態の確認

築年数は1981年以降の新耐震基準を満たしているか、または1981年より前でも耐震基準を満たしている物件かどうかが最低限のチェックポイントです。

さらに重要なのが管理状態です。管理組合がしっかり機能しているか、修繕積立金の滞納者が少ないかを確認することで、そのマンションの住民の質と将来の維持管理の状況がわかります。

「安い物件には安い理由がある」——立地・築年数・管理状態の3つを必ず確認した上で物件を選んでください。


賃貸でお金を貯めながら購入を目指す具体的な方法

賃貸期間を「頭金を貯める期間」と捉える

「今は賃貸だけど将来は購入したい」という方に向けて、具体的な方法をお伝えします。

賃貸期間を「頭金を貯めるための準備期間」と捉えることで、賃貸に住みながらも購入に向けた行動ができます。

ステップ内容
1固定費を見直して毎月の余剰資金を増やす
2NISAで資産を積み上げながら頭金を貯める
3購入したいエリアの相場を定期的にリサーチする
43か所以上の不動産屋に相談して情報収集する
5頭金が貯まったタイミングで購入を本格検討する

頭金の目安はいくらか

一般的に物件価格の10〜20%が頭金の目安とされています。

例えば3,000万円の物件であれば300〜600万円が頭金の目安です。この金額をNISAや貯蓄で積み上げながら、購入のタイミングを見計らうことが賢明な方法です。

焦って頭金なしのフルローンを組むより、賃貸で貯蓄を続けながら準備を整えてから購入する方が、長期的に見て安心できる選択です。


賃貸か購入か迷っている方へのアドバイス

まず3か所以上の不動産屋を回る

賃貸か購入かで迷っている方に、具体的なアドバイスがあります。

まず3か所以上の不動産屋を回って、賃貸と購入どちらがおすすめかのアドバイスをもらってください。

不動産屋によって得意分野・取り扱い物件が異なるため、複数の意見を聞くことで客観的な判断ができます。

不動産屋を回りながらお金を貯める

不動産屋を回って情報収集しながら、同時にお金を貯めるという二足の草鞋で進めていくのがおすすめです。

情報収集をしながら頭金を積み上げていくことで、いざ購入を決断した時により良い条件でローンを組める可能性が高まります。


まとめ|賃貸vs購入は「今の資産状況」で判断する

項目賃貸購入
柔軟性◎ 引っ越し自由△ すぐ動けない
急な出費◎ 大家負担△ 自己負担
資産形成△ 家賃は消費◎ 資産になる
家賃値上げリスク△ 値上げされる可能性◎ ローン額は固定
必要な準備少ない頭金・審査が必要

賃貸か購入かに正解はありません。「今の自分の資産状況と収入」を正直に見つめた上で判断することが最も重要です。

まずは自分の預貯金を確認し、頭金が確保できているかどうかを判断する。それが賃貸vs購入を考える最初の一歩です。


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