会社員でも確定申告が必要な人は?副業時代に知るべき20万円のライン
この記事でわかること
- 会社員でも確定申告が必要になる条件
- 副業で押さえるべき「20万円のライン」と住民税の落とし穴
- 私が毎年確定申告をしている3つの理由
- 住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要という話
- e-Taxなら税理士もソフトも使わず自分でできるという実感
- ふるさと納税のワンストップ特例が無効になるケース
- 領収書の保管がすべての土台になる理由
- 申告を忘れても5年さかのぼれるという話
「確定申告は自営業の人がやるもの」かつての私もそう思っていました。
しかし今は、会社員でありながら毎年確定申告をしています。
理由は、住宅購入・二か所からの給与・ふるさと納税の3つです。どれも特別な事情ではなく、多くの会社員に起こり得ることです。
そしてこれからの時代、確定申告が必要な人はさらに増えていきます。副業を始める方が年々多くなっているからです。
この記事では、FP2級を持ち毎年自分で申告している立場から、会社員が知っておくべき確定申告の基本をお伝えします。
会社員でも確定申告が必要な人

会社員は年末調整があるから、確定申告はいらないんじゃないの?
基本はそうなんだけど、例外が意外と多いんだ。自分が当てはまるか確認してみよう!
確定申告が「必要」な人
まず、申告が義務になるケースです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 給与収入が2,000万円を超える | 年末調整の対象外になる |
| 給与・退職所得以外の所得が20万円を超える | 副業・不動産収入・株の売却益など |
| 2か所以上から給与を受けている | 条件によって確定申告が必要 |
| 年の途中で退職して再就職していない | 確定申告で税金が戻る場合がある |
確定申告を「したほうが得」な人
一方で、義務ではないけれどやれば税金が戻ってくるケースもあります。
| 条件 | 戻ってくる理由 |
|---|---|
| 医療費が一定額を超えた | 医療費控除 |
| ふるさと納税をした(条件次第) | 寄附金控除 |
| 住宅ローン控除の初年度 | 住宅借入金等特別控除 |
| 災害・盗難にあった | 雑損控除 |
| 年末調整で控除の適用もれがあった | 控除の追加 |
「やらなくてもいいけれど、やれば戻ってくる」というのが、この分類の意味です。知らないまま放置すると、本来戻るはずのお金を受け取れません。
【実体験】私が毎年確定申告をしている3つの理由

会社員なのに毎年やってるの?大変じゃない?
それがね、思ったより大変じゃないんだ。理由から見ていこう!
私が毎年確定申告をしているのは、次の3つが重なっているからです。
理由①|住宅購入(住宅ローン控除)
マンションを購入したため、住宅ローン控除の初年度に確定申告が必要でした。
ただしこれは初年度だけです。2年目以降は年末調整で処理できるようになります(後ほど詳しく説明します)。
理由②|二か所からの給与
2か所以上から給与を受けている場合、確定申告が必要になります。
年末調整は1か所でしか行えないため、残りの分は自分で申告することになります。
理由③|ふるさと納税
ふるさと納税の控除を受けるために申告しています。私はワンストップ特例ではなく確定申告で処理しています(理由は後述します)。
初めてのときに苦労したこと
正直にお伝えすると、初めて申告したときに一番苦労したのは「これで間違えていないか」と何度も見返したことでした。
手続きそのものが難しかったというより、合っているかどうかの不安です。初めての方は同じ感覚になると思いますが、これは慣れれば解消します。
【最重要】副業時代こそ「申告ライン」を知っておいてください

ここが、この記事で一番お伝えしたいことです。
20万円を超えたら申告が必要
副業をしている会社員が押さえるべき基準は「20万円」です。
給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。
ここでいう「所得」は売上ではなく、売上から必要経費を引いた金額です。
| 計算 | |
|---|---|
| 副業の売上 | 50万円 |
| 必要経費 | 35万円 |
| 所得 | 15万円 → 申告不要(所得税) |
【落とし穴】20万円以下でも住民税の申告は必要です
ここが見落とされがちなポイントです。
「20万円以下なら何もしなくていい」と思われがちですが、これは所得税の話です。
住民税には20万円の基準がないため、副業所得が20万円以下でも住民税の申告が必要になります。お住まいの自治体に確認してください。
えっ、20万円以下でも何かやることがあるの?
そうなんだ。所得税と住民税は別の話。ここを知らない人が本当に多いよ!
副業を始める前に、知識を身につけてください
副業を始める方が年々多くなっています。だからこそ伝えたいことがあります。
副業と同時に、FPの知識をしっかり身につけてください。
どのラインからの収入で申告が必要になるのか。経費として何が認められるのか。これを知らないまま副業を続けると、申告漏れにつながります。
税金の知識は、稼ぐ力と同じくらい重要です。
住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要です

2年目以降は年末調整でOK
マンションや住宅を購入した方に関わる話です。
住宅ローン控除を受けるには、初年度だけ確定申告が必要です。
2年目以降は、勤務先の年末調整で処理できるようになります。つまり面倒なのは最初の1回だけということです。
| 手続き | |
|---|---|
| 1年目 | 確定申告が必要 |
| 2年目以降 | 年末調整で処理できる |
必要な書類|銀行から届く証明書が必須
初年度の申告で必ず必要になるのが、銀行から届く住宅ローン控除の証明書です。
正式には「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」といいます。年末頃に金融機関から送られてくるので、失くさないよう保管しておいてください。
実感として「全然大変じゃなかった」
実際にやってみた感想を正直にお伝えします。
全然簡単でした。
理由は明確です。住宅購入時に、すでにある程度の必要書類を揃えているからです。売買契約書、登記関係の書類、ローンの契約書。これらは購入の過程で手元に集まっています。
住宅購入の手続きに比べれば、確定申告の書類準備は全然大変ではありません。
住宅購入を検討されているお客様から確定申告について質問をいただくことも度々ありますが、「購入手続きを乗り越えられたなら、申告は問題ありません」とお伝えしています。
ふるさと納税|ワンストップ特例の落とし穴

ふるさと納税はワンストップ特例があるから、確定申告しなくていいんだよね?
条件があるんだ。しかもワンストップが無効になるケースがあるから要注意だよ!
ワンストップ特例が使える条件
ワンストップ特例は便利な制度ですが、使える条件が決まっています。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 寄付先の自治体数 | 5自治体以内 |
| 確定申告 | そもそも確定申告をしない人 |
【重要】確定申告をするとワンストップは無効になります
ここが最大の落とし穴です。
ワンストップ特例は「確定申告をしない会社員」のための制度です。
つまり医療費控除など別の理由で確定申告をした時点で、ワンストップ特例の前提が崩れ、無効になります。
よくある取りこぼし
そして実際によくあるのが、このパターンです。
ワンストップ特例を申請していた安心感から、確定申告では医療費控除だけを入力し、ふるさと納税の控除がまったく反映されていなかった。
ワンストップを申請済みだから大丈夫、と思い込んでしまうわけです。しかし確定申告をした時点で無効になっているので、申告書にふるさと納税も記載しなければ控除されません。
ワンストップ特例を申請済みであっても、確定申告をするならその年に行ったふるさと納税をすべて申告書に記載してください。「ワンストップで申請したから不要」ということにはなりません。
私が確定申告派である理由
私はワンストップ特例を使ったことがなく、毎年確定申告で処理しています。
理由は単純で、どのみち他の理由で確定申告をするからです。確定申告をするなら、ワンストップ特例を申請する意味がありません。
もともと確定申告をする予定がある方は、最初からワンストップを使わないほうがシンプルです。
医療費控除の基本

※この章は制度の一般的な説明です。私自身は幸い控除を受けるほどの医療費がかかっていないため、実体験ではありません。
対象になる条件
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられます。
| 所得 | 基準額 |
|---|---|
| 200万円以上 | 10万円 |
| 200万円未満 | 所得の5% |
控除額の上限は200万円です。
計算方法
控除額 = 支払った医療費 - 保険金等で補てんされる金額 - 10万円(または所得の5%)
高額療養費や生命保険の入院給付金を受け取った場合は、その分を差し引く必要があります。
家族の分も合算できます
見落とされやすいポイントです。
生計を一にする家族の医療費は合算できます。
さらに、家族が遠方に住んでいても、生活費や医療費を送金しているなら適用要件を満たすケースがあります。
対象になる費用の範囲
診療費や薬代だけでなく、通院にかかる電車・バス代も対象になります。意外と知られていないので、該当する方は領収書や記録を残しておいてください。
e-Taxなら、思ったより簡単です

確定申告って、ソフトを買ったり税理士さんに頼んだりするの?
最近はe-Taxだけで自分でやってる人が多くなったよ!
税理士もソフトも使っていません
正直にお伝えします。
私は会計ソフトも使わず、税理士にも頼まず、自分でe-Taxで申告しています。
もちろん事業規模が大きくなれば話は別ですが、会社員の確定申告であれば、特別なツールは必要ありません。
e-Taxは年々使いやすくなっています
私が確定申告をやり始めてからe-Taxが充実してきたこともあり、面倒な手続きは正直それほど感じていません。
画面の案内に従って入力していけば、必要な計算は自動で行われます。源泉徴収票の内容を転記し、控除に関する情報を入力するだけです。
必要なもの
| 必要なもの | 用途 |
|---|---|
| マイナンバーカード | 本人確認・電子申告 |
| 源泉徴収票 | 給与の情報 |
| 各種控除証明書 | 保険・住宅ローンなど |
| 還付金の受取口座 | 銀行口座情報 |
| スマホまたはPC | 申告の操作 |
マイナンバーカードの有効期限にも注意してください。期限が切れていると手続きが進められません。
最初の1回を乗り越えれば、あとは同じ作業です
初めての方が不安に感じるのは当然です。私も最初は何度も見返しました。
しかし2回目以降は、前年と同じ流れでできます。最初の1回だけ、時間に余裕を持って取り組んでみてください。
領収書の保管が、すべての土台です

こまめな保管が一番のコツ
確定申告をするうえで、一番大事なのは領収書の保管です。
領収書の保管はこまめに行っておくほうがいいです。申告の時期になってから1年分を探すのは、現実的ではありません。
クレジットカードの履歴だけに頼らない
「クレジットカードの履歴を追えば大丈夫」と考える方もいます。確かに履歴から支出を追うことは可能です。
しかし正直に言うと、最初の段階ではそれだけで対応するのは難しいと思います。
何に使った支出なのか、経費として認められる内容なのか、履歴の金額だけでは判断がつかないからです。
具体的な保管方法
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 封筒やファイルを1つ用意する | 月ごと・用途ごとに分ける必要はまずない |
| もらったその日に入れる | 後回しにすると必ず紛失する |
| スマホで撮影しておく | レシートは感熱紙で文字が消えることがある |
| 家計簿アプリと連携する | 支出の記録と突き合わせやすくなる |
完璧な分類より、まず「全部1か所に入れる」ことから始めてください。分類は申告の時期にまとめてやれば十分です。
とりあえず全部入れるだけならできそう!
それでいいんだ!捨てないことが一番大事。分類は後からでもできるからね!
忘れていても5年さかのぼれます

還付申告は5年以内なら可能
「去年、医療費控除を申告し忘れた」「ふるさと納税の控除が反映されていなかった」こういうケースもあると思います。
確定申告をしていない場合でも、還付申告は原則5年間できます。また、すでに申告した内容を訂正する、更正の請求も場合によっては可能です。
つまり過去5年分を見直せるということです。
心当たりがあるなら確認してみてください
- 医療費が多くかかった年があるのに申告していない
- ワンストップ特例を申請したのに、その年に確定申告もしていた
- 年末調整で控除証明書を出し忘れた
こうした心当たりがあるなら、過去の記録を確認する価値があります。
ただし申告期間や手続きの詳細は変わる可能性があるため、国税庁の公式情報で最新を確認してください。
よくある質問

Q1. 確定申告の期間はいつですか?
通常は毎年2月中旬から3月中旬です。ただし還付申告(払いすぎた税金を取り戻す申告)は年明けから可能で、5年以内であれば受け付けられます。正確な日程は国税庁の公式情報で確認してください。
Q2. 副業の所得が20万円以下なら、本当に何もしなくていいですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。お住まいの自治体に確認してください。
Q3. 会計ソフトは必要ですか?
会社員の確定申告であれば、私は使っていません。e-Taxだけで十分でした。事業規模が大きい場合は検討の余地があります。
Q4. 税理士に頼むべきですか?
会社員の範囲であれば、自分でできるケースがほとんどです。私も毎年自分でやっています。複雑な取引がある場合は専門家に相談してください。
Q5. 住宅ローン控除は毎年確定申告が必要ですか?
初年度だけです。2年目以降は年末調整で処理できます。
Q6. ふるさと納税のワンストップ特例を申請済みですが、医療費控除で確定申告をします。どうすればいいですか?
ワンストップ特例は無効になるため、確定申告書にその年のふるさと納税をすべて記載してください。記載を忘れると控除されません。
まとめ|副業時代こそ「申告ライン」を知っておく

| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 申告が必要な人 | 2,000万円超/副業所得20万円超/2か所給与など |
| 申告で得する人 | 医療費控除/ふるさと納税/住宅ローン控除の初年度 |
| 20万円以下でも | 住民税の申告は必要 |
| 住宅ローン控除 | 初年度のみ確定申告。2年目以降は年末調整 |
| ワンストップ特例 | 確定申告をすると無効になる |
| 手続き | e-Taxなら税理士もソフトも不要 |
| 一番大事なこと | 領収書のこまめな保管 |
| 申告漏れ | 5年以内なら還付申告で取り戻せる |
最後に、一番伝えたいことをお伝えします。
年々副業を始める方が多くなっている時代です。だからこそ、副業と同時にFPの知識をしっかりと身につけてください。
どのラインからの収入で申告が必要になるのかを知り、申告漏れがないように気をつけること。これが、これからの時代に必要な自衛の知識です。
20万円のラインと、住民税の話。覚えておく!
僕も副業を始める前に、税金の勉強をしておこうかな・・・
その順番が正解だよ!稼ぐ力と同じくらい、守る知識が大事。まずは領収書を1か所にまとめるところから始めてみてね!
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